つづりや-綴り屋-tsuduriya

おもなテーマは書いたり読んだりを楽しもうってなブログです。

『破戒の海』がおもしろい【第一章第二話解説】

 

読書を楽しんでる皆さん、今日もコンバンハ。たかぱしです。

 

さて。

好きな小説について勝手に熱く語っておすすめしようというブログ記事2です。

 

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小説読むぞー

非公式非公認☆矢久さんの『破戒の海』ファンミー始まるよー(独りで)

 

 

 

 

そもそも『破戒の海』ってなに?

 

『破戒の海』は小説投稿サイト「なろう」で公開されている矢久勝基さんの長編小説です。

ジャンルは重厚ファンタジーです。超級輸送戦艦とか出てきます。

 

ともかく読んでみよう~って方はこちらからどうぞ♪

 

また『破戒の海』についてさらに詳しくは前回のブログ

ninengfeixiang.hatenablog.jp

をご覧下さい(はい、宣伝です)

 

 

前回までのあらすじ

 

魔術の使える人間“魔女”と使えない人間“平人”とがいがみ合い、魔女が迫害されている世界。

 

無法の海を行く一艘の大型輸送戦艦「弓槻」があった。

船に積み荷として乗せられた一人の少女。彼女は魔女であり、処刑されるために護送されていく。

 

捕まった魔女に希望はない。

 

憔悴と諦観の中で少女は無駄と知りつつ、見張りの男に助けを乞うてしまう。

助けを求められたクルップはどこかへ走り出していくが……。ってところで第一話終了です。

 

 

突然走ってっちゃったクルップくんですが……魔女を助けてくれるんだよね……?

 

 

第二話解説

 

第一章「魔女狩り」の第二話について語っていこうと思います。

ネタバレも含みますことをご了承ください。

 

先に読みたいよって方は、こちらからどうぞ!(第二話ページに飛びます)

 

 

さて。第二話タイトルは、ずばり「逃走」

 

これは……無事に逃げられるってことか!?

と読者的に勝手に期待してしまいますが。でもまだ二話目だしなぁ。そんなにすんなりいくかなぁ。まぁ読んでみよう。

 

えー。第二話冒頭。シャワーシーンですね! 詳述は彼女のために遠慮しておきましょう。ご自分でお読みください!

(もちろん真水の貴重な船の上なんで、湯煙上がるようなシャワーじゃないですよ)

 

でも、第一話でクルップが少女を置き去りにして走っていったときには、せっかくの貴重な体を洗う機会がポシャるのかと思いましたが。

すっきりできたようで本当によかったよぅ。

 

 

それで、その走って行ったクルップですが、彼の向かった先は、魔女の“”の保管場所(杖もまた引き渡すため輸送されてた)でした。

魔女はこの特殊な杖……見た目はどっちかというとホウキなそれを使って力を増幅し、魔術を行使したり空を飛んだりするのです。

 

つまり。この杖があれば、あるいは少女も空を飛んで逃げられる……かも?

 

杖を手にしたクルップですが、もちろんあの少女を逃がすのであれば、それは輸送船クルーとしての業務に対する重大な裏切りです。

信用の上に成り立つ輸送船としての誇りと仲間からの信頼とに治ることのない傷をつけることになります。

 

 

そもそも魔女は世界中で生存をさえ許されない人間の敵とみなされています。

 

魔女は魔術を扱うという特殊な才能を持った突然変異であり、人口はそれほど多くありません

三万人に一人の割合、と言うことですから、例えば現代日本なら全国でも四千人ちょっといるかどうかぐらい、です。

数が少ないゆえに脅かされた魔女たちは、かつて生き残りをかけた決死の抵抗をしたことがありました。

それを魔人戦争、と呼びます。

 

数で劣る魔女たちは死力を尽くしたものの結局勝つことはありませんでした。

そして魔人戦争で平人を勝利に導いた“英雄”たちが主導する魔女への迫害は熾烈を極め、今に至っています。

 

その魔女を逃がし助けるなら、クルップや弓槻もまた世界を敵にまわすことになるでしょう。

命が危うくなるかもしれません。

 

少女にもクルップにもそのことはよく分かっています。

でも。助けを求めずにはいられなかったし、助けようと動かずにはいられなかった。

 

 

すべてを承知して、クルップは少女にホウキ……じゃなくて杖を渡します。それで飛んで逃げろと言います。

 

受け取る少女は、

「あたし、コトヨイ」

と、それまで決して明かさなかった名前を告げます。

 

突然の名乗りを受けて動揺するクルップ

 

……クルップお前、……やっぱ惚れてんのか?

まぁ船の上にいると女っ気ないからな。

『荷物』改めコトヨイちゃん、可愛い女の子だし。まぁ許す。

 

 

クルップの命がけの援護を受け取ったコトヨイは最大限の感謝を込めて「凶悪な魔女がクルップを超強力な魔術でぶっ飛ばして無理やり逃げた」ことにします。

 

つまり。思いっきり全力でクルップ股間を蹴りあげます。

 

……おーう。コトヨイさーん。

まぁコトヨイさん、長期間の拘束で衰弱していたようだけど。でも前後のやりとりから察するにリトルクルップけっこーなダメージをくらってるぞ、これ。だいじょうぶかなー。

 

クルップを振り切り逃走する凶悪な魔女、コトヨイ(笑)

杖に乗って狭い通路を飛び出していきますが。

どうやらこの逃走劇は予想されていたようで、彼女の前に立ち塞がる影があり……。

 

というところで次回に続きます。

 

コトヨイちゃんは無事飛び立てるのか――?

 

『破戒の海』を読むなら……

前回一話目はこちら  今回解説した二話目はこちら  この続き三話目はこちら

 

 

 

第二話の登場人物たち

 

二話目の登場人物は、物語の主軸の二人が中心です。

 

あいかわらず親身ないいやつ、クルップ

輸送戦艦弓槻のクルーであることに誇りを持っていますが、魔女の逃走を手助けすれば当然全てを失うわけです。

それでも助けずにはいられない、そんなやつです。

 

そして名前の明らかになったコトヨイ

それほど容姿やしぐさの描写があるわけではないのですが。……なんかいちいち可愛い。股間蹴り上げてても可愛いぞ。

 

それぞれの思いと相手への慮りとをうちに秘めつつ交わされる二人のやりとりにどうぞニヤニヤしてください。

 

 

それにしても、矢久さんは主軸の二人の置き方が本当に上手いと思います。

 

クルップは決してスーパーヒーローではありません。

言っちゃなんだけど、能力的にはいたって平凡な男です。

でもそのおかげで読者が共感できる、というか、自分を置き換えて読むことがで来ます。

 

またクルップは魔女について詳しいわけではありません。逆にコトヨイも船や輸送船での生活というものについては知りません。

そんな二人が互いに知り合い理解を深めていく過程で、読者もまた世界に触れることができます。

 

 

ちなみに。

登場人物では、もう一人コトヨイの行く手に立ち塞がるクルーの男が一人登場します。

名前出てこないし、これ、誰だったんかな。

 

 

 

まとめ

コトヨイはクルップの助けで杖を手にし、二人の命をかけた逃走が始まります。

が。コトヨイもクルップ行き当たりばったりっぽいし、この逃走もどうやら想定されてるみたいだし、ぜんぜん逃げられる感じがしない。どうなるのかなー……。

 

魔女迫害の背景もちょっぴし明かされる第二話「逃走」

ぜひ矢久さんの小説でお楽しみください~!

 

矢久勝基『破戒の海』はこちら

 

 

といったところで本日の勝手ファンミーティングはお開きです。

ご来場ありがとうございました!

 

 

※なお、こんなブログ書いてることは作者の矢久さんには秘密でありまして、非公式非公認です。ここに書いたことはたかぱしの主観でありたかぱしが責任を負うものであり、矢久さんには一切の責任はありませんことをご了承下さい。